麻酔科(ペインクリニック)
当院では「帯状疱疹」の治療、そしてその後の神経の損傷による痛みである「帯状疱疹後神経痛」の治療を行っております。
帯状疱疹
- 1.原因
- 水痘(水ぼうそう)を起こす原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが、加齢や種々の原因による細胞性免疫の低下によってウイルスが再活性化し、末梢神経に沿った帯状の疱疹を呈する疾患です。
- 2.発症のきっかけ
- 過労やストレスによる心身の疲労により、免疫の働きが低下し、ウイルスが再活性化しやすくなると言われます。
糖尿病、慢性腎臓病、癌の方は免疫力が低下しており発症しやすくなります。
- 3.症状
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強い痛みを伴う、帯状の発疹。体の半身(右側または左側)に出現するのが特徴で、両側に出る事はありません。
好発部位は胸や脇腹ですが、顔面や頭に出現する事もあります。 - 顔面神経麻痺:顔面を支配する三叉神経・第3枝の損傷
- 視覚障害:目を支配する三叉神経・第1枝(眼神経)の損傷 ▶ 眼科医の診察が必要です。
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強い痛みを伴う、帯状の発疹。体の半身(右側または左側)に出現するのが特徴で、両側に出る事はありません。
- 4.治療
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抗ウイルス薬の点滴または内服。
1週間の治療が必要です。発疹が出現して3日以内の治療が合併症である帯状疱疹後神経痛を予防するためにも重要です。 -
疼痛治療
痛みは個人差があります。軽症の場合「痛痒い」と表現される方もおられます。
大事な事は痛みがある場合我慢しない事です。痛みを我慢すると合併症である帯状疱疹後神経痛に移行しやすくなります。
薬物療法として非オピオイド鎮痛薬の服用を行いますが、抗うつ薬などの鎮痛補助薬の服用が必要な場合もあります。
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抗ウイルス薬の点滴または内服。
帯状疱疹後神経痛
- 1.帯状疱疹後神経痛とは
- 帯状疱疹発症後、神経の損傷による痛みが3ヶ月以上続いた場合を言います。
- 2.帯状疱疹後神経痛になりやすい人
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- 50歳以上
- 高齢者や糖尿病などの持病がある患者(免疫力が低下している)
- 帯状疱疹の発疹がでる前や発疹がでている時の痛みが強い人
- 皮膚症状が重症でその範囲が広い人
- 3.内服治療
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下記薬剤を、単独又は複数薬の組み合わせを、その人に副作用が出ない様、注意して処方します。
- 鎮痛薬(解熱鎮痛薬)
- 抗うつ薬
- 非オピオイド鎮痛薬
- 抗てんかん薬
- 弱オピオイド(麻薬性の鎮痛薬)
- 漢方薬(冷え性の方に有効な場合があります)
- 4.神経ブロック
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上記内服で改善しない場合、神経ブロックという注射を行います。(当日の入浴は可能です)
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痛みが顔面のある場合
星状神経節ブロック(首の頸動脈の近くにある神経節に局所麻酔薬を注射します)
注射の時間は数秒ですが、10分間程ベットに休んで頂きます。 -
痛みが胸やお腹にある場合
胸部または腹部硬膜外神経ブロック
注射の時間は1分程ですが、注射後血圧が下がる事があり20分間ベットに休んで頂きます。
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痛みが顔面のある場合
医師紹介
国吉 和重Kazushige Kuniyoshi
専門分野循環器内科・麻酔科
所属学会および役職
医学博士
日本内科学会(認定医)
日本循環器学会(認定循環器専門医)
日本医師会(認定産業医)
日本老年医学会(専門医)
麻酔科(標榜医)